当事業所は、市外基幹病院の小児科、産科とも連携し、医療的ケア児の在宅療養にも積極的に関わっております。
一例としてNHF導入時の訪問看護事例をご紹介します。
1. 医療的ケア児の状況
出生時にダウン症候群の診断がありました。
咽頭軟化症により在宅用*NHFを導入する必要がありました。
*鼻から高流量で高い精度の酸素を投与できる呼吸療法
2. 訪問看護の提供
退院前カンファレンスに参加し、ご自宅での生活に向け主治医、病棟看護師、ご家族のお話をうかがい、安心して自宅に戻れるよう訪問看護の役割を確認しました。
自宅での訪問看護では、NHFの管理を含む呼吸状態の確認、皮膚トラブル、哺乳状況、成長発達の確認のほか、お母様の育児不安の解消に努めました。
3. 医療的な助言
・ご家族はNHF装着に抵抗感があり、特に外出時に周囲の視線を気にされていましたが
児に必要な医療機器であることを丁寧に説明し、常時装着するようご理解いただきました。
・児は便秘傾向で、浣腸による排便コントロールが必要でした。
「癖になるのではないか?」というご家族の思いから、浣腸を躊躇することもあり、時に、腹部膨満がありました。看護師は排便コントロールの必要性を丁寧に説明し、適切な利用につなげました。
4. 児の成長発達の手助け
・離乳食の開始時は、看護師による嚥下(飲み込み)の確認を行い、歯科で嚥下評価を 受けていただくことを提案し、歯科での嚥下訓練につなげました。
・児の成長とともにNHFの装着は夜間のみとなりました。訪問看護師は児の成長発達を支援する為、本読みや手遊びをケアに取り入れました。
また、リハビリ目的での総合病院への通院、発達支援センターへの通所、摂食神経科への受診などを提案し、各機関との連携をサポートしました。
5. 訪問看護の卒業
児が1歳になり、お母様の職場復帰、保育園の利用が始まるタイミングで訪問看護は無事卒業となりました。
フレンズ印西では、可能な限り退院前カンファレンスに参加させていただき、退院前から携わらせてさせていただくことで、医療的ケア児、ご家族が不安なく自宅での生活を 送っていただく手助けができるものと考えております。
また、ご家族が土日や夜間も安心して過ごせるよう、訪問時には十分にアセスメントを行い、必要時には早めの受診を提案するようにしております。
通院中、入院中を問わず、訪問看護のご利用に興味のある方は、当事業所までお気軽に御連絡ください。